うどん二郎 備忘録

長めの文章はここに上げます。メモ書き程度。

SONGS・小沢健二特集の感想

SONGSの小沢健二特集(2017年10月5日)、とてもユニークで素晴らしい放送だった。そういえばオザケンは、「想像力」(『我ら、時』)でも「一番ときめく風景は、新しい目で見る、見慣れた風景だったりする」と言っていた。「既知」のものが「未知」のものに「突…

スピッツ「子グマ! 子グマ!」と「コメット」(『醒めない』)の擬人法

スピッツの擬人法はクサくなくていい。 「子グマ! 子グマ!」は多分親クマの視点で語られているのだろうけど、たとえば「半分こにした 白い熱い中華まん 頬張る頰が好き」という一節の具体性や、「間違ったっていいのにほら こだわりが過ぎて 君がコケない…

エドワード・ヤン監督作品の覚書

「恐怖分子」 強く紹介されたので観た。とても良かった。 格子状の細部(ex.壁や床のタイル、窓、道、縦横に切れ目の入った写真、本棚、さらには原稿用紙......etc)に多く彩られた映画。主役級の位置を占める夫婦の不協和をはじめ幾人もが多様な形で「接触」…

『ガタカ』、あるいは「偶然の子どもたち」

今日健康診断受けてたらこの映画思い出しました。前書いた(とっ散らかった)メモです。 (追)終末部、二項の完璧な対比と批評してやろうとする者の眼を涙でいっぱいにしてしまうような悲しさ美しさ! 片方が消え、片方が残る。しかしその残された方を、観る者…

藍と人生ーー映画的・詩的に上質な「夜空はいつでも最高密度の青色だ」について

モノローグ、スローモーション、クローズアップ、並行モンタージュ、劇中歌、いずれも、ともすれば映画を青くさくさせてしまう技術だけれど、俳優の巧みな演技とあわさることで、それをうまく回避するどころか映画の次元をひとつ上に高めてしまったのだから…